「月刊フォーNET」2010年3月号掲載分

戦車の前に座り込め
「ただの市民が戦車を止める」会編
さがみ新聞労働組合発行

　この本には奥付が無いので定価がわからない。よってプレミアがついたかどうかも不明なので、ここで取り上げるかどうか躊躇したが珍しい本なのでご紹介したい。
　一言でいえば70年安保の用語が満載された珍本といえるだろう。タイトルからいきなり「ただの市民」とくる。当時左翼運動へのシンパシーを持っていたインテリ連中には懐かしい70年安保時のジャーゴンだ。サブタイトルは「’72年相模原闘争、そして−」。「闘争」もマニア落涙ものの懐かしい死語だ。「そして―」などという意味ありげな表記法もマニア心をくすぐりそうだ。
　さらに目次を見ると「ベトナム人民の闘いへの熱い連帯心」「叫んで直接行動に立ち上がった」「ラジカルに根付いた民衆運動として」などと「懐かしい70年安保用語」がこれでもかと目白押し。これ、当時のファッションや音楽がリバイバルしているが、こういった死語も目にするとこの時代の空気を鮮やかに思い出すことができる。
　かくいう筆者も当時は進歩派中学生を気取っていたわけで、こんな死語を目にすると「朝日ジャーナル」の手触りがよみがえってくるような懐かしさを覚えるのだ。
　

　
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MICHEAL JACKSON'S THIS IS IT　メモリアル　DVD-BOX
マイケル・ジャクソン
ソニー・ピクチャーズ・エンターテインメント
　このコラムにマイケルが登場するのは２回目。最初は亡くなった直後に代表作「スリラー」のとあるエディション盤にプレミアがついた話をご紹介した。その後の経過はご存知の通り。幻と終わったロンドン公演のリハーサル映像をまとめた映画「THIS IS IT」が世界的に大ヒットしたのは記憶にも新しいところ。その映画が早くもDVD化された。
　例によってマイケル、またしてもプレミアモノを出してくれた。そのひとつがこれ。さまざまなエディションがある中で、オリジナルTシャツがついたこのセットの前人気が高く、限定1万セットということもあり予約直後に完売。
　発売前に人気が過熱し、ヤフオクでは「空売り」（商品が手元に無いが、将来の入荷を見越しての販売）が多数見られたが、結局ふたを開けると大したプレミアは付いてない。　どうやら大した商品ではないと思われたようだ。アマゾンのレビューでも辛い評価が多い。「わざわざオークション等で手に入れるほどの物ではありません」などという書き込みもある。こういうのが購買者の心理に影響を与えているのかもしれない。