福岡古本買取よかばい堂の古本買い取りコラム       福岡の経済誌「月刊フォーNET」連載中!

福岡古本買取よかばい堂の店主が、福岡の経済誌「フォーNET」に連載中のコラムの過去掲載分です。

2020-01-01から1年間の記事一覧

 不動産も扱う古本屋?

よかばい堂店主はいまゼネコン勤務時代戻ったような仕事をする日々だ。もちろん古本屋を辞めたわけではない。 話の発端はいつもの通りの本の買い取りから始まる。福岡近郊の、人里離れた山の中の一軒家からお呼びがかかった。行ってみると広い敷地にこぢんま…

古本屋と建具

「昭和レト ロ」が人気なのは雑誌やレコードばかりではない。デザインの世界でも1960年代や70年代のものがに妙に人気があったりする。時計やラジカセなどから家具にいたるまで、ちょっと前まで時代遅れでダサいと思われていたものが、いまや回周遅れのトップ…

サブカルチャーの本が高い昨今

古本市場での全集や学術書・文芸書などのいわゆる「堅い本」の下落傾向が止まらない。インテリの必需品のような本、持ち主の知的威信を裏打ちするような本、とでも言おうか、一時期の日本の読書好きの垂涎の的だったような本が安いのである。 こうやって書い…

片岡義男のこと

片岡義男の名を最初に目にしたのは雑誌「宝島」だったと思う。おそらく一九七〇年代の初期だ。植草甚一あたりの周辺にいたコラムニストという認識だった。そのうち雑誌「ポパイ」にもコラムを書き出したり、角川文庫からオートバイ、サーフィンなどの当時の…

レコードの話  

最近レコードが良く売れる。弊店の在庫は歌謡曲やフォーク・ロックを中心に約八千枚。ほぼ毎日ネットで数枚売れている。たったの数枚ではあるが、年間にすれば千枚ほどになるのだから、古本屋としては立派な商品だ。 新聞雑誌やネットでレコードに関する記事…

  美空ひばりとSPレコード

数年かけて買い取ってきたSPレコードが大量にあったので重い腰を上げて整理を始めたところ、美空ひばりのものが二十数枚出てきた。 ひばりのディスコグラフィーを見ると、多くのヒット曲がSP盤時代にでリリースされていることがわかる。SPは一九六〇年ごろま…

よかばい堂、学校の先生から本を買うの巻

学校の先生は本をよく読む職業だから、買い取りに行くことも多い。大学の研究者には本を読むのが商売のような人もる。一方で小学校の先生は教育方法や指導法についての本が多い。こういう世界にもカリスマ先生がいるようで、「先生の先生」とでもいうべき存…

 よかばい堂、戦国武将の直筆書簡を持ち込まれるの巻

戦国武将の直筆の書き物が持ち込まれた。古書店は研究者ではないから、本物か偽物かを鑑定する能力はないのだが、商売になるかならないかの「あたり」はつけなければならない。 まずは持ち込まれたものが「筋がいい」ものか否かを確認する。筋がいいとは、出…

コロナウィルスについて (その2)

先月新型コロナウィルスの影響について書いたが、ひと月たったいま読み返すと、遥か昔の話のように感じる。それぐらいこのひと月の動きは激しかった。 映画館で一席とびに座らされたことを書いたが、いまやそれどころか映画館自体が閉まっている。小倉駅ナカ…

コロナウィルスについて

さて、コロナウイルスである。どこへ行ってもこの話題ばかりだ。先日映画館に妻と一緒に行ったら一席とびに座らされた。老夫婦はいざしらず、ホットなカップルであれば残念だろう。しかしもっと気の毒なのは映画館だ。半分しか座らせられない状態が続くと経…

よかばい堂、文学全集が売れた理由を探るの巻

昨年他界したドナルド・キーンの『日本の文学』が中公文庫から再刊されたとツイッターで目にしたので、たまたま手元にあった同じ著者の中公文庫版『日本の作家』をめくってみたらこんな箇所が目に留まった。「現在の日本人の全集に対する愛着は相当根強いよ…

大分三昧ひと月を送るの巻

この一か月で大分県内のあちこち、豊後大野市、竹田市、大分市、臼杵市と四回も大分に通ったが、これには訳がある。実はとある三大紙に全面広告を出したのだ。 とは言え、零細古書店が出すのだから料金は格安だ。まず掲載地域に福岡県は無く、大分県・佐賀県…