福岡古本買取よかばい堂の古本買い取りコラム       福岡の経済誌「月刊フォーNET」連載中!

福岡古本買取よかばい堂の店主が、福岡の経済誌「フォーNET」に連載中のコラムの過去掲載分です。

「月刊フォーNET」2010年10月号掲載分

『改訂新版 労働基準法労働時間実務事典』
厚生労働省労働基準局賃金時間課 監修
労働行政 平成15年
 よかばい堂店主はサラリーマンになりたてのとき人事部に配属され、いきなり労働三法を勉強しろと言われた。
 慣れない法律書を読む日々。毎年のように法改正が行われ、判例が積み重なる法律の世界では、出版したての本も日々情報が陳腐化していく。それを延命させるため、新たな情報を加え古い情報を削除できる「加除出版物」というものがあると知ったのもその頃だ。 ぎょうせいという名の出版社から出ていたこの手の本(というよりも厚紙の表紙の間に綴じ穴の空いた印刷物を黒い紐で綴じていくもの)は、年に数回営業マンが来て事務所の片隅で差し替え作業を行っていた。
 労働法の本を手にするのはそのとき以来。たしかにこの本は、判りやすく簡潔にまとめられているような気がする。当時もこのような参考書で勉強したことを思い出す。
 厚生労働省の監修というのも実務者には安心感があるのだろう。ただ改訂新版は2003年に出て以降今日まで改訂されていない。
 情報の陳腐化を考えるとこの7年間というのは長い空白とも思えるが、労働法はあまり変化がないのだろうか。現在のところこれが最新版であることには間違いがない。この本に重要な価値を認める方にお買い上げいただいたわけだ。定価が5500円の本なので、プレミアが付くとかなりの額になるが、さっくりお買い上げいただいたところを見ると、経費での購入のようだ。


『人生の幸運をつかむ姓名易断術』
鮑黎明 扶桑社 2006年

 占いの本で有名人の名前を使うのは常套的なテクニックなのだろうか。ある運気に該当する有名人の名前を挙げると、読者に具体的な人物像を伝えることができ説得力が増すと考えられているのかもしれない。
 子供のころ家にあった親の易断の本をぺらぺらめくったら、芸能人の名前が例として挙げられていた。ついでに言うと、かなり直截的な性的表現があったことも記憶に残っている。ある運気の人はかくかくしかじかの性的嗜好を志向しがちだという一般論がかなり具体的に述べられていた。
 今回この本をぱらぱらとめくってみて真っ先に目に入るのが、芸能人の名前と性的な表現だということは、あれから幾星霜といえども変わりばえしないのは易の本かはたまたそこにしか目が行かぬ自分か。
 運波というものを説く本書よるとそのひとつに「雷運波」なるものがあり、波乱万丈・自由奔放な人生を送り、その性的嗜好たるや「アブノーマルな方向に走る」「異常なほどハードな」などと表現されるものらしい。
 「なるほど、これはそのような運波であるのだな」と納得しつつ、しからばそのような運波を持つのは芸能人では誰ぞやと思うのだが、残念なことにそこにはそのような名は記されていない。それが著者の自己規制によるのか紙数の制限によるのかは不明である。現在品切れにつきわずかながらもプレミアつきで取引された。