「月刊フォーNET」2011年11月号掲載分

ヴェネツィア&ヴェネト―「イタリア」 (地球・街角ガイド―タビト
出版社: 同朋舎出版 (1996/05)

ヴェネツィア&ヴェネト―「イタリア」 (地球・街角ガイド―タビト)

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ガイドブックである。同朋舎出版という会社は、ヨーロッパのビジュアル本の翻訳を多く出している。この原著もイギリスのものだ。
　ヨーロッパのガイドブックは日本のそれとは趣を異にしており、この本もグルメ情報やショッピング情報はきわめて少ない。ミシュランのガイドブックもそうだった。
　では何が書いてあるのか。美術館や博物館などの情報が多い。展示物の写真に解説が細かな解説が書いてあったりする。地区ごとに俯瞰イラストマップがついており、歴史的な記述も多い。
　ガイドブックは、旅の伴侶だから、自分の旅のコンセプトに合致したものは多少値が張ってでも手に入れたいだろう。旅の買い物に数千・数万単位でぽんぽんと買っていくのだから、どうしても欲しいガイドブックに多少の金を払うのは惜しくない。
　イギリスの本だけに、イギリスとの関係についてもいろいろと書いてある。ある教会が高潮で被害を受けたときはイギリスの団体が支援した等々。
　ところで、2ページ見開きの街頭写真にどうみても日本人の若いカップルが大きく写っている。女の眉の太さが時代を感じさせる。知り合いが見たら誰だがはっきりわかる鮮明さ。どうやら新婚旅行のようだ。男の左手の薬指にリングが見えるし（女の左手は見えない）。が、もしそうでなかったら…。

図解入門 よくわかる高校世界史の基本と流れ―社会人のための再入門 流れとポイントを図解でおさらい (How‐nual Visual Guide Book)
単行本: 351ページ
出版社: 秀和システム (2005/12)
浅野 典夫 (著)

図解入門よくわかる高校世界史の基本と流れ (How‐nual Visual Guide Book)

　最近本屋でよく見かける社会人向けの高校や中学の勉強の復習の本のひとつである。
　類書も多く出ているが、この本に限ってはアマゾンのカスタマーレビューはかなり熱い。曰く「社会人向けの類書は数多いが，その中にあって本書は傑出している」。また曰く「，類書の多くが重要事項の羅列に終わっているのに対して，本書は歴史に特有な物語性も決して失われておらず面白く読める」。
　著者は前書きで高校の教科書は「まとめ」としてはよく出来ている、とした上でこう書いている。「『まとめ』とはまとめる前の事柄を知っている人にとっては知識の確認や整理に有用ですが、知らない人にとっては、無味乾燥な単語の羅列になることがしばしばです」。
　へえ、そういうものかと思い店主も読んでみた。コラムのネタが見つけようという下心を持って。で、どうかと言われると「わからない」。我ながら情けないがしかたない。レビュアーがこれだけの評価ができるのも、彼（女）それなりの知識があるからだ。
　たしかにわかりやすそうだな、ゆっくり読んでみたいとは思うが、その理由を明確に述べるにはそれなりの教養がいる。
　まともに教科書も読んでもないのに世界史で受験しておきながら、浪人すると節操なく地理に変えたという店主にはどだい無理だったようだ。