「月刊フォーNET」2012年3月号掲載分

エクセルで解く線形・非線形方程式の数値計算
木村 欽一 (著)
出版社: 丸善 (1999/03)

エクセルで解く線形・非線形方程式の数値計算

わが事務所には3台のパソコンがあるが、フロッピーディスクが使えるのは7年前に買った最古の一台だけ。フロッピーディスクドライブは付いてはいるが、使ったことは一度も無い。
　それ以降のパソコンではフロッピーディスクに代わってＣＤ−ＲＯＭやＤＶＤ−ＲＯＭが標準装備されるようになった。
　この本にはエクセルで使えるアプリケーションソフトが附録で付いているが、それがまさにフロッピーディスクに収納されている。この本が出た1999年はまだそういう時代だった。記憶をたどってみると確かにこの頃のオフィスではワープロ専用機が隆盛を極めていて、その文書の記憶メディアはフロッピーディスクだった。
　本の内容について言及する能力は店主にはないが、きっと現在もまだ充分に通用するものなのにちがいない。ただフロッピーが付属しているという点に、近年のパソコンの進歩の速さを実感する。
　推奨システムについて書かれているが、これも現在のパソコンのスペックから見たら赤子のようなもの。ＣＰＵ100ｍｈｚ以上、ＲＡＭは３２MB以上。いまどきどんな安価なパソコンでさえもこんなに小さなスペックのものは無いといえそうだ。パソコンの性能は桁違いに大きくなっている。

官能劇画大全書―1970年代~80年代ハードコア・エロ劇画アンソロジー ?作成者 有為, あがた; 比糸, 吉田
出版社: ソフトマジック (2002/01)

官能劇画大全書―1970年代~80年代ハードコア・エロ劇画アンソロジー

　 帯には「ラジカルでアナーキー！　ディープでクレイジー！！　既成のマンガジャンルをはみ出した'70年代〜'80年代、衝撃の官能劇画シーン！！！」。そんな劇画が17本と、マニアの座談会が掲載されていて、「知世ちゃんの股をかける少女」という作品の登場人物の名前が、俊彦、明菜、田原知世というのが笑える。
　カバーには当時のエロ漫画雑誌の表紙がびっしりと敷き詰められている。これはこれで懐かしい昭和の風景のひとこまだ。
　この手の雑誌は中華料理屋のテーブルの下にラーメンの汁と手垢で茶色くなって置かれていたものだ。喫茶店となるとちょっとエロ度が落ちて「漫画アクション」かせめて「週刊漫画」まで。
　さらに時代をさかのぼり、少年時代に草むらに捨てられていたエロ漫画も思い出す。外野に飛んだボールを追っかけて草むらに入り遭遇した。雨露でごわごわになっているのだが、少年たちは野球を中断し皆で鑑賞したものだ。
　雑誌名が面白い「漫画スーパーエロス」「漫画大快楽」「劇画官能時代」「漫画ボイン」などは分かりやすい。「漫画ピラニア」「劇画アリス」などもまあわかる。アリス出版というビニ本の大手があったし。しかし「漫画パーキング」「漫画プラザ」となると、ちょっと連想がつきにくい。といっても表紙はみな同じ匂いを発しているから問題ないのだろう。