「月刊フォーNET」2015年10月号掲載分
『Santa Fe 宮沢りえ写真集』
篠山紀信撮影 朝日出版社 1991年
宮沢りえはこの撮影当時18歳になっていなかったので、この写真集は児童ポルノであるらしい。今年の6月からは売買に関与せずとも単に所有しているだけの「単純所持」でも違法だという。
じゃあ、所持している者を警察が片っ端から捕まえるかというと、そんな話は聞かない。もしそうなら一説には150万部売れたというこの本の所有者のすべてを捕まえることになるはずだが、今のところは警察の裁量が働いているのだろう。
ヤフオクでは今でも頻繁に出品・落札されている。ジャニーズの非公式グッズなどには厳しいヤフーもこの本には比較的緩やかな対応を見せている。基準を厳しくとれば児童ポルノになる写真集は他にもあるが、それらも今のところ取り引きされているものがあるようだ。
一方で今年初めに同法違反容疑で家宅捜索を受けたアマゾンは徹底的にこの手の本を締め出した。モデルの生年月日と撮影年月日から計算しているのだろうか、少しでも抵触しそうな本のカタログを削除してしまった。このサンタフェのページも存在しない。そこまでやるか、という気もするが家宅捜索を受けてこりごりしたのだろう。
この写真集は今でも全国100万以上の善男善女の家の本棚に置かれているにちがいない。
『シティ情報ふくおか 創刊号』
プラニング秀巧社 1976年
創刊は1976年の10月だから39年前だ。当時は東京に「ぴあ」「シティロード」という二大情報誌があったと思う。
「シティ情報ふくおか」は、たしか当時は福岡唯一の情報誌だったはず。東京みたいに分化されておらず、映画・コンサート情報から街歩きグルメ情報までさまざまな内容だ。
天神地下街と岩田屋新館の紹介があるのは順当なところだろう。ほかにも長住地区のイラストマップがあるが個人商店の大半はもう今はない。40年の流れを感じるところだ。
読者コーナーでは投稿者の住所が番地まで書かれていたり、映画の紹介で「愛のコリーダ」と「ソドムの市」のかなりきわどいシーンの写真が紹介されているあたりに時代の変化を感じる。
驚いたのは天神ビル地下街のテナントで今と変わらない店がいくつかあること。キリンパブは法人の経営だからわかるが、年配の女性が経営する「はいむ」という店は今もある。40年くらい続いているのだから恐れ入る。