「月刊フォーNET」2013年7月号掲載分
キャンディ・キャンディ コミック 全9巻完結セット (キャンディ・キャンディ 講談社コミックスなかよし ) [コミック]
水木杏子(原作)
いがらし ゆみこ (作画)
多くの古本屋と同様、よかばい堂も本の買い取りに出張するが、遠くまで出かけてまともなな本が無いときほど脱力することはない。
先日も県境まで出かけて行ってこのような目にあった。もちろんそうならないように、電話の段階で慎重にヒアリングするのである。どんな種類の本なのか、誰が収集したのか(本人でない方が話がまとまりやすい)、歴史ものと言っても時代小説なのか時代考証の研究書なのか、著者は誰か出版社はどこか等々。それでもやはり、心にひそむすけべ根性が淡い夢を見てしまい、ゴミの山(失礼!)と知らずそいそと遠方まで出かけてしまうのだ。
そのゴミの山に分け入り、何もないとあきらめかけたときにこの本を見つけた。バラバラと散乱している全9冊をかき集めると欠けているのが1冊だけ。これでガソリン代ぐらいは出る。
こんな有名なマンガがなぜ高いのか? 原作者と作画担当者が仲違いしてしまい重版ができないかららしい。
弊店が見つけた本もかなり傷んでいたが、抜けてる巻を買い揃えクリーニングして出品するとあっという間に売れた。
私立大学倒産時代における再建手法と破産処理についての研究
岩崎 保道 (著)
物騒なタイトルの本である。いや、普通に本屋に並んでいればどうということはない。そういう分野にはそういう知識が必要な人が時と場合によってはいることもあるだろう、というに過ぎない。
しかし、ネットで注文を受けると送り先がわかってしまう。もしもこの本の送り先が学校法人であったら。しかもその担当者が校長だったとしたら。
そういう意味で本の購入履歴は究極の個人情報だ。場合によっては株価を左右しかねないこともあるだろう。
じじつよかばい堂が受けた注文はとある学校からだった。しかも個人名はそこの校長のもののようだ。今はネットで検索すればすぐに知れてしまう。
もちろん、タイトルに倒産という言葉があるからといってその学校がそういう危機に面しているとは限らない。万事に怠りのない経営者があらゆるリスクを想定して経営にあたっているだけかもしれない。
願わくばそうあってほしいと思いつつ、余計な心配をしてしまうタイトルの本なのだった。