福岡古本買取よかばい堂の古本買い取りコラム       福岡の経済誌「月刊フォーNET」連載中!

福岡古本買取よかばい堂の店主が、福岡の経済誌「フォーNET」に連載中のコラムの過去掲載分です。

よかばい堂、放蕩の叔父の後始末を手伝うの巻

九州のとある温泉町で買い取りをしてきた。叔父が残した本を買い取って欲しい、某月某日に東京からその温泉町に行くので来てくれないか、と女の声の電話だった。東京在住の彼女の亡き叔父が残した本だという。 本の詳細について尋ねると携帯に写真が送られて…

 よかばい堂、「老人と本」の一日を過ごすの巻

大学で昆虫の研究をしていた方から本の買い取りを頼まれた。福岡市の近郊にある今はもう使わなくなってしまった旧宅まで車で連れて行ってほしいとの要望だった。現在は退官して大学近くの集合住宅にお住まいなのである。 昼前に迎えに行き、一時間ほどの道連…

 よかばい堂、左利きの故人に感銘を受けるの巻 

90数歳で亡くなった方の息子さんから本の買い取りを頼まれた。父親の残した膨大な本は書斎の本棚にぎっしりつ詰まっている。本が多いので2回にわたっての買取りのなったのだが、最後にアッと驚くような話を聞いたのでご紹介してみたい。 亡くなった方は工…

よかばい堂、左利きの故人に感銘を受けるの巻 

90数歳で亡くなった方の息子さんから本の買い取りを頼まれた。父親の残した膨大な本は書斎の本棚にぎっしりつ詰まっている。本が多いので2回にわたっての買取りのなったのだが、最後にアッと驚くような話を聞いたのでご紹介してみたい。 亡くなった方は工…

 古本の出張買取はどうやるのか?

よかばい堂はネット販売専門で、今のところ店舗を持っていない。「今のところ」というのは、いずれは店舗を持ちたいとひそかに思っているからだが、家賃を払い店員を置き優良な在庫を揃えて棚の手入れをするとなると、大きな負担増になるのは間違いなく、現…

よかばい堂、バーのマダムの手紙を発見するの巻

古書の間からは色んなものが出てくる。ヘソクリが挟んであることもあるが、ハガキや手紙も頻繁に出てくる。 先日は私信の便箋が3通出てきた。封筒はなく便箋のみ。差出人はいずれも同一人物で中洲あたりの飲み屋の女主人と思しき人物。当時の言葉ではバーの…

よかばい堂、イギリスの古本の村を探訪するの巻 (その2)2017年12月号

よかばい堂、イギリスの古本の村を探訪するの巻 (その2) 今月も先月に続き、英国の古本の町ヘイオンワイのレポート。 まずは町を歩いた印象。こじんまりして観光客にとっても散策しやすい。いたるところにカフェやパブレストランなどの開放的な店舗があり…

よかばい堂、イギリスの古本の村を探訪するの巻 (その1)2017年11月号

古本の買い取りをしていると、町から古本屋がなくなって淋しいという声を耳にすることがある。本好きにとって古本屋めぐりで時間をつぶし、買った本を手に喫茶店に入るというのは大きな楽しみなのだ。 ネットだけで本を売り実店舗を持たないよかばい堂店主と…

よかばい堂 大阪出張の巻  2017年10月号掲載

つきあいのある広告代理店から、全国紙の関西都市圏版に急遽空きが出たのでなんとか出稿してくれないかと泣きつかれた。困ったときはお互い様だし広告料は格安にしてくれるというので試してみた。 とは言うものの関西である。買い取りに行くには遠すぎるから…

よかばい堂、レコードの歴史に思いをはせるの巻 2017年9月号

オードリー・ヘプバーン主演の映画「昼下がりの情事」はパリが舞台だ。彼女と恋をするアメリカの大富豪役のゲイリー・クーパーはデートの際にはいつも、BGMを奏でる楽団を引き連れるという設定になっている。食事の際はもちろん水上をたゆたう舟の上で二…

よかばい堂、マリリン・モンローの逸話を知るの巻 2017年8月号掲載

ご存知の方も多いと思うが、かの二十世紀を代表するアイコンの一人マリリン・モンローは福岡に来たことがある。アイコンなどと大仰な言い方で恐縮だが、一女優というだけでは語れない存在であることは間違いないだろう。 当時彼女はニューヨーク・ヤンキース…

よかばい堂、新聞広告を出すの巻 

今月は買い取りが多かった。多い日は一日に4回。広告の出稿量が多かったからかもしれない。 2014年から月に数回の新聞広告を出している。定期的に利用するのは朝日・読売といった全国紙だが、理由はふたつほどある。まずは広告費が安いこと。ちょっと補足す…

よかばい堂、シングルレコードにまみれるの巻

二千二百枚の歌謡曲のシングル盤をネットオークションで落札した。最近レコードも見積もってほしいという要望が増えたので、勉強のために買ってみた。大量ではあるが品質の保証なしのジャンク品なので大した額ではない。一枚ずつネットで調べているのだが、…

横須賀で恩人の蔵書整理をする、の巻

横須賀で恩人の蔵書整理をする、の巻 二月某日見知らぬご婦人から、私はYの妹だが先日兄が他界した、その一人住まいの横須賀のマンションから貴店宛に送ろうとした古書の箱がみつかったのでお知らせする、と電話があった。 Y氏は私の父の友人であり私自身…

よかばい堂、海外で仕入れるの巻

先日ヨーロッパで仕入れをした。今回行ったのはブリュッセルとパリ。妻と一緒だったので観光もそれなりにしたがブリュッセルでは古書店・中古レコードショップを10店舗ほど見て回った。 ブリュッセルはベルギーの首都だが人口は110万程度なので福岡よりも少…

よかばい堂、見積金額を値切られる?の巻

宗像方面から本の買取依頼の電話が多いのは、沿線に九大・九産大・福岡女子大・福岡工業大・福岡教育大など大学が多いからだろう。 国家公務員や県の職員など福岡市と北九州市どちらにも転勤の可能性がある人もこの辺には多いようだ。こういう人たちにも読書…

よかばい堂、爆買いされるの巻

福岡の古本屋には無縁だろうと思っていた「爆買い」を経験した。 発端は1本の電話。わずかに関西なまりのある知的な女の声(余談ながらひとこと。「女の声」と書いたからとて不審な女でも怪しい声でもない。巷間使われる「女性」という語感が不快なので自分…

遠賀郡岡垣町での奇妙な一日

遠賀郡岡垣町は北九州に行くときに通過するだけで、どういう町なのか全く知らなかった。 「息子の大好きなビートルズのレコードや古い天秤などが出て来たので見てくれないか」という電話をその町の住人から受けた。 行った先は田んぼに囲まれた一軒家。八十…

「月刊フォーNET」2016年11月号掲載分

吉永小百合 旅に夢みる 講談社 (2003/03) 初版帯付きで吉永小百合本人の署名落款入り。 署名入りの本はずいぶん扱ってきたがさすがに吉永小百合のサインは高い! 現存する作家のサイン本で高いのは大江健三郎と村上春樹だと思うが、それに匹敵する。 サイン…

「月刊フォーNET」2016年10月号掲載分

洋酒天国 43号 昭和35年2月 ずいぶん前に買い取ったまま放置していた古い演劇のパンフレットの山をひっくり返して検分していると、いろいろ妙なものが出てきては目に留まり、しかもそれがいちいち面白くついつい時間を費やして作業がはかどらない。 そのひと…

「月刊フォーNET」2016年9月号掲載分

半世紀大事にされてきたプロレスラーのブロマイドのアルバム 以前このコラムで紹介したプロレスの古いパンフレットを譲ってくれた下関在住の方からまた電話があった。今度はすべてのコレクションを処分したいという。聞くとどうやら再婚されるとのことで、相…

「月刊フォーNET」2016年8月号掲載分

1万枚のCDの仕入れとその出品についてよかばい堂では先月大量のCDを仕入れたのでその出品作業で大わらわである。その数なんと1万枚。 CDの厚さは1センチだから1万枚は1万センチ、つまり100メートル。重ねれば30階ぐらいのビル(TNC会館がその高さ)…

「月刊フォーNET」2016年7月号掲載分

講談社『秘宝』全12巻 昭和42年 ダイワ 釣具総合カタログ DAIWA 1975年 本を売りたいという電話を毎日受けるが、売り買いが成立することは半分もない。大半は「百科事典を売りたい」「文学全集を処分したい」という話なので、残念ながら商談は成立しない。 …

「月刊フォーNET」2016年6月号掲載

「ヒッチコックマガジン」 創刊号から31冊セット 「ミステリマガジン」 創刊号から180冊セット ミステリーの雑誌では「ミステリマガジン」(以下ミスマガ)がメジャーだが、古本市場にも多く出回っており近年は相場も下がっている。創刊号を含む100冊以上の…

「月刊フォーNET」2016年5月号掲載分

『浄土和讃講話 上巻』 金子大栄著 全人社 昭和24年 「投稿写真」 1998年9月号 三和出版 4月20日現在、宮崎のホテルでこの原稿を書いているが、テレビは熊本の震災のニュースを伝えている。地震の前に買い取りの予定を2件入れていたので予定通りに宮崎入…

「月刊フォーNET」2016年4月号掲載

『絵葉書 九州横断全集 26枚』 みうらじゅんの著書に『カスハガの世界』というのがある。カスハガとは? 「あまり名物のない地方の、絵ハガキセットに見られる、出したくも出されたくもない、カスみたいな絵ハガキのこと。気を確かにして眺めると、10枚セッ…

「月刊フォーNET」2016年3月号掲載分

『ニチモ 1/200 旧日本海軍 戦艦大和 捷1号作戦時 』 『春秋左氏伝 全釈漢文大系』ほか 集英社 南九州からの電話で、漢文の先生をしていたご主人の本を処分したいという。本の内容を詳しく知りたいというと、本棚に入った本の背を撮影して送ってくださった。…

「月刊フォーNET」2016年2月号掲載分

『独文和訳の根底』 小柳篤二 大学書林 昭和26年 ここのところ雑誌・パンフ・テープやレコードなどのサブカル系雑貨の紹介が多かった気がするが、たまにはこういう古本らしいものも紹介してみよう。 この本は出すとすぐに注文が入った。しかも「日本の古本屋…

「月刊フォーNET」2016年1月号掲載分

『日本の喜劇人』中原弓彦 昭和47年 晶文社 『唄の自叙伝』。西條八十 昭和31年 小山書店 この商売をしていると時として本に挟まれている面白いモノに出会うことがある。 よくあるのは葉書やチケット類。飛行機の搭乗券などは、ものによっては航空マニア…

「月刊フォーNET」2015年12月号掲載分

『ボクシングマガジン 1973年3月号』ベースボールマガジン社 現役チャンピオンのまま事故死したボクサー大場政夫の追悼号。彼の記事が載った号を多数出品中したのだが、軒なみ入札され値が上がっていく。根強い人気を示すようだ。 彼は愛車のシボレーコ…